普及版 字通 「正(漢字)」の読み・字形・画数・意味
正
常用漢字 5画
[字訓] ただしい・ただす・おさ・まさに
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 会意
一+止。卜文・金文の字形は、一の部分を囗(い)の形に作り、囗は邑・城郭の象。これに向かって進む意であるから、正は征の初文。征服者の行為は正当とされ、その地から貢納を徴することを征といい、強制を加えて治めることを政という。〔説文〕二下に「是なり。止に從ひ、一以て止まる」とするが、一に従う字ではない。その支配にあたるものを正といい、周初の金文〔大盂鼎(だいうてい)〕に「殷の正百辟」という語がみえ、官長たる諸侯の意。官の同僚を「友正」という。征服・征取・政治の意より、正義・中正、また純正・正気の意となる。
[訓義]
1. せめる、征の初文。
2. 攻めてただす、反する者をただす、ただしい。
3. 征の初文、税をとる。
4. おさ、かしら、おさめるもの、長官。
5. まつりごと、おさめる。
6. さだめる、平らかにする、ととのえる。
7. もと、はじめ、基本にあるもの。
8. 純粋なもの、誤りのないもの。
9. まさに。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕正 マサシ・マサニ・カミ・ヲサヲサシ・タヒラカナリ・ヒル・ヒタフト・シク・ヒトシ・タカシ・シバラク・トトノフ・タダス・タダシ・マツリゴト・メヅラシ・キク・トドム
[部首]
〔説文〕に正の反文として乏を録し、〔玉〕に整など二字を加える。乏は正の反文ではなく、泛死者の象形。これを埋めて葬ることを(へん)という。
[声系]
〔説文〕に証・整・(政)・定・鉦など九字を収める。おおむね正の声義をとるものである。ただ鉦は、その鼓つ音をとるものであろう。
[語系]
正・征・・整tjiengは同声。正は征の初文。正に攴(ぼく)を加えてとなり、また敕(ちよく)(束ねて整える)を加えて整となる。
[熟語]
正午▶・正面▶・正意▶・正家▶・正科▶・正譌▶・正▶・正衙▶・正会▶・正格▶・正確▶・正学▶・正監▶・正諫▶・正気▶・正奇▶・正軌▶・正機▶・正義▶・正議▶・正客▶・正糾▶・正兇▶・正襟▶・正緊▶・正系▶・正経▶・正言▶・正庫▶・正誤▶・正攻▶・正行▶・正号▶・正▶・正笏▶・正坐▶・正朔▶・正史▶・正始▶・正子▶・正字▶・正式▶・正室▶・正日▶・正邪▶・正爵▶・正術▶・正閏▶・正書▶・正色▶・正身▶・正真▶・正寝▶・正賑▶・正人▶・正声▶・正静▶・正正▶・正生▶・正性▶・正籍▶・正絶▶・正体▶・正大▶・正内▶・正旦▶・正中▶・正昼▶・正長▶・正直▶・正丁▶・正定▶・正嫡▶・正殿▶・正徒▶・正途▶・正統▶・正当▶・正堂▶・正道▶・正徳▶・正陪▶・正白▶・正反▶・正犯▶・正妃▶・正筆▶・正夫▶・正賦▶・正風▶・正服▶・正副▶・正文▶・正平▶・正兵▶・正聘▶・正俸▶・正法▶・正房▶・正末▶・正脈▶・正名▶・正命▶・正門▶・正理▶・正立▶・正領▶・正類▶・正路▶・正臘▶
[下接語]
殷正・夏正・賀正・雅正・改正・革正・割正・刊正・幹正・元正・奇正・規正・議正・糾正・居正・匡正・矯正・堅正・顕正・厳正・公正・更正・校正・剛正・宰正・三正・持正・正・執正・質正・実正・射正・邪正・守正・取正・周正・修正・粛正・純正・醇正・真正・是正・先正・大正・端正・中正・忠正・朝正・直正・訂正・貞正・適正・正・農正・駁正・反正・批正・不正・補正・方正・法正・養正・里正・履正・廉正
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報