眼前(読み)ガンゼン

デジタル大辞泉 「眼前」の意味・読み・例文・類語

がん‐ぜん【眼前】

[名]目の前。ごく身近な所。まのあたり。目前もくぜん。「眼前に広がる景色
[名・形動ナリ]明らかなこと。確かなこと。また、そのさま。
「兄弟なることは―なり」〈曽我・一〉
[類語]目の前面前現前鼻先目前まのあたり視野視界死角眼界眼中目先鼻面はなづら鼻っつら前面正面真ん前手前先方直前目と鼻の先手近い程近い近い間近い間近じきすぐ至近近く手が届く指呼しこ咫尺しせき目睫もくしょう目睫もくしょうかん身近手近卑近身辺そば傍ら手元付近近辺近傍近所最寄りもと足元座右左右手回り身の回り

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精選版 日本国語大辞典 「眼前」の意味・読み・例文・類語

がん‐ぜん【眼前】

〘名〙
① (━する) 目の前。まのあたり。現実。また、目の前にあること。
※新撰万葉(893‐913)上「眼前貯水号瑤池、手漑手穿送歳時
※保元(1220頃か)上「眼前にかかる弓勢も侍るにや」 〔杜甫‐歴歴詩〕
② (形動) 明らかなこと。確かなこと。また、そのさま。
曾我物語(南北朝頃)一「兄弟なることは眼前也」
※幸若・元服曾我(室町末‐近世初)「あれこそ御身の為にはがんぜんのいとこ、工藤一郎助経と申す人にておはしませ」
[補注]「日葡辞書」に「親類または近親者」の意として「Ganjen(ガンゼン)」を挙げているが、これは②の意で「眼前の兄君」などと、兄弟や親類縁者についていう例が多いところからの語釈か。

ま‐の‐まえ ‥まへ【眼前】

〘名〙 まのあたり。めのまえ。がんぜん。
※宇治拾遺(1221頃)一〇「げにまの前に、ゆゆしきさまにて死なんを見んよりは」

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普及版 字通 「眼前」の読み・字形・画数・意味

【眼前】がんぜん

目前。唐・呉融廃宅〕詩 獨り凄涼、眼の事のみならず 咸陽の一火(すなは)ち原を

字通「眼」の項目を見る

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デジタル大辞泉プラス 「眼前」の解説

眼前

沢木欣一句集。1994年刊行(角川書店)。1995年、第10回詩歌文学館賞(俳句部門)受賞

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