睦まじい(読み)ムツマジイ

デジタル大辞泉 「睦まじい」の意味・読み・例文・類語

むつまじ・い【睦まじい】

[形][文]むつま・じ[シク]《動詞「むつむ」の形容詞化。古くは「むつまし」》
仲がよい。親密である。特に、男女間の愛情がこまやかである。「夫婦仲も―・く暮らす」
事物愛着がある。心がひかれる。
「春になる桜の枝はなにとなく花なけれども―・しきかな」〈山家集・中〉
[派生]むつまじげ[形動]むつまじさ[名]
[類語]近い緊密接近密接親近近接不可分濃い切っても切れない水いらず親しい近しい心安い気安い親密懇意懇昵じっこん懇親別懇ねんご親愛和気藹藹あいあい仲良しファミリアフレンドリーアットホームドメスティック家庭的打ち解ける解け合う馴染む親しむ馴染み深いつうつうつうかあ息が合う反りが合う反り馬が合う気が合う肌が合う琴瑟きんしつ相和す打てば響く意気投合心を通わす心が通う気が置けない胸襟を開く腹を割る心を開く心を許す気を許す肝胆相照らす心を交わす心を以て心に伝う人なつこい取っ付きやすい懐こい如才ない調子がいいなれなれしい

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精選版 日本国語大辞典 「睦まじい」の意味・読み・例文・類語

むつまじ・い【睦】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]むつま〘 形容詞シク活用 〙 ( 古くは「むつまし」。動詞「むつむ(睦)」の形容詞化 )
  2. 間柄気持のつながり、交わりなどが、隔てなく親密である。親しい。
    1. [初出の実例]「我、国異(あたしくに)と雖も、心、断金(ムツマシキ)に在り」(出典:日本書紀(720)推古二九年二月(図書寮本訓))
    2. 「この院のあづかりのこ、むつましくつかひ給ふわかきをのこ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕顔)
  3. 特に、夫婦または恋人同士の男女の仲がよい。愛情が濃密である。
    1. [初出の実例]「汝(いまし)、親(ムツマシク)(ムツマシ)と雖も、朕、眉輪王(まよわのおほきみ)を畏る」(出典:日本書紀(720)雄略即位前(前田本訓))
  4. ( 主として人以外の事物に関して ) 心がひかれ、愛着を感じる。慕わしい。なつかしい。
    1. [初出の実例]「見し人の煙を雲と眺むればゆふへの空もむつましきかな」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕顔)

睦まじいの派生語

むつまじ‐が・る
  1. 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙

睦まじいの派生語

むつまじ‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

睦まじいの派生語

むつまじ‐さ
  1. 〘 名詞 〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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