穏当(読み)オントウ

デジタル大辞泉 「穏当」の意味・読み・例文・類語

おん‐とう〔ヲンタウ〕【穏当】

[名・形動]
おだやかで無理がないこと。また、そのさま。「取り扱いに穏当を欠く」「穏当処置
すなおでおとなしいさま。
「何でも此のあたりに評判い女で、それで優しくって、―で、人柄で」〈鏡花照葉狂言
妥当だとう[用法]
[派生]おんとうさ[名]
[類語](1適当適切適正適確至当妥当相応好適適合合致即応正当順当ぴったりころ合い程合い手頃てごろ適う適する合う沿うそぐう当てはまる当を得る/(2マイルドまろやか穏やか穏便紳士的婉曲えんきょく甘美快美当たらず触らず物柔らか曖昧ほどほど控え目ソフト柔らかい柔軟しなやか軟化柔らか軟質軟弱柔いやんわりぼかすぼやかすぼやけるうやむやメロー柔和温厚温和穏健まったり丸いゆるやか

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「穏当」の意味・読み・例文・類語

おん‐とうヲンタウ【穏当】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙
  2. 物事がむりなく、よく道理にかなっているさま。妥当なさま。〔運歩色葉(1548)〕
    1. [初出の実例]「何うしてもっと穏当に私を観察して下さらないのでせう」(出典:道草(1915)〈夏目漱石〉二一)
    2. [その他の文献]〔杜牧‐宣州留贈詩〕
  3. 柔順で人に逆らわないさま。おだやかで、すなおなさま。のんびりしているさま。おんと。
    1. [初出の実例]「唐人の老人や詩人文人貧者は馿にのるぞ馬上で詩句を案ずるぞ、おんたうではやうないほどに物を案ずるによいぞ」(出典:玉塵抄(1563)一四)
    2. 「全体あの子僧は私の末っ子でチトおんとうで困ります」(出典:滑稽本・魂胆夢輔譚(1844‐47)四)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「穏当」の読み・字形・画数・意味

【穏当】おんとう

妥当。

字通「穏」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android