デジタル大辞泉
「虚」の意味・読み・例文・類語
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きょ【虚】
[1] 〘名〙
① むなしいこと。内容のないこと。人のいないこと。空虚。うつろ。から。⇔
実(じつ)。
※史記抄(1477)一八「常は竹の中の虚をば規模に云へども」 〔礼記‐少儀〕
②
雑念や
私欲などのないこと。また、わだかまりのない平明な心。虚心。〔易経‐咸卦〕
③ 備えのないこと。すきがあること。油断。不用意。
※太平記(14C後)二二「見二其虚(キョ)一則進、見二其実一則止」 〔史記‐孫子伝〕
(イ) うそ。いつわり。そらごと。虚言。〔文明本節用集(室町中)〕
※
浮世草子・
傾城禁短気(1711)一「そなたの身請をする我心底は、実か虚
(キョ)かいふて見や」 〔史記‐信陵君伝賛〕
※
俳諧・常盤屋の句合(1680)一八番「作のうちに作有て、虚の中に実をふくめり」
⑤ あな。すきま。「虚を漏りくる風」
⑥ 漢方医学の用語で、不足の意。体の機能や症状が衰弱していること。また、元気や気力のない状態。虚弱。
※病論俗解集(1639)「虚実(きょじつ) 有る物のの無くなったのを虚と云。又自汗盗汗或は不食して痩せ衰へなどするを虚と云ぞ」
※
古事談(1212‐15頃)一「黒雲蓋
レ虚」 〔管子‐心術上〕
[2] 二十八宿の
一つ。玄武
七宿の第四宿。今の
水瓶座のβ
(ベータ)星とその隣の小馬座のα
(アルファ)星との二個の星を合わせたもの。虚宿。とみてぼし。〔
易林本節用集(1597)〕
※
制度通(1724)一「斗、牛、女、虚、危、室、壁の七宿、その並びやう蛇の亀をまとふが如し」
きょ‐・す【虚】
〘自サ変〙 空
(から)になる。また、精気がなくなる。
腎虚(じんきょ)になる。
※全九集(1566頃)一「脾の臓虚しれ、不食し、
手足つかれて、ものうき事を」
※浮世草子・風流曲三味線(1706)三「今(いま)心(こころ)虚(キョ)してあのごとくなられしものならん」
うろ【虚】
〘名〙 内部がからになっているところ。うつろ。ほらあな。
※
曾我物語(南北朝頃)二「かの木のうろに、竹の葉おほへる物あり」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報