精選版 日本国語大辞典 「過熱」の意味・読み・例文・類語
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相転移(一次)を起こす転移温度より高温になっても転移が起こらずもとの相(低温相)が存在する現象,またはその状態。沸点より高い温度に熱せられた液体が気体にならず液体(低温相)のままでいる状態は,その代表的な例である。このような過熱液体は,液体を静かに保ったまま非常にゆっくりと加熱することによって得ることができる。過熱状態は,転移温度より高温になっても低温相が準安定状態(熱力学的に最も安定というわけではないが,微小なゆらぎに対しては安定な状態)にとどまっているために起こり,過熱液体の場合も,外からある程度大きな衝撃を与えたりすると準安定状態がくずれて,爆発的に沸騰(突沸)することがある。逆に,転移温度以下になってももとの相(高温相)が存在する現象を過冷却という。
執筆者:小野 嘉之
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
物質を加熱したとき転移温度を過ぎても相(固体、液体、気体の三相)の転移がみられない現象。液体の場合では、温度が上がって沸点以上になっても液体のままである現象をいう。逆の現象を過冷却という。過熱は準安定状態で、安定な相の物質を核として添加した場合や振動を与えた場合、ただちに安定な状態に転移する。過熱状態の液体の場合、突沸(いきなり沸騰すること)する。ある圧力下で、蒸気と液体が平衡である場合、その平衡状態での温度以上に熱せられた蒸気を過熱蒸気という。
[山本将史 2022年2月18日]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
【Ⅰ】液体を沸点以上に加熱しても沸騰が起こらない状態.固形異物を含まない清浄な液体を,なめらかな内壁の容器中で加熱するときに起こりやすい.過熱状態が破れると,しばしば突沸を起こす.【Ⅱ】液体の沸点以上の温度に蒸気を加熱すること.[別用語参照]過熱蒸気
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...
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