精選版 日本国語大辞典 「面倒」の意味・読み・例文・類語
めん‐どう ‥だう【面倒】
〘名〙
② (形動) するのがわずらわしいこと。わずらわしく感じられること。くどくてうるさいこと。また、そのさま。
※玉塵抄(1563)二一「されども文などかくみたうもないこと長々とつづけてかくもめんたうなぞ」
[語誌]語源としては「目だうな」にもとめる説が有力である。「目だうな」は「目」に「だうな」が付いたもので、この「だうな」は「無益に物を浪費すること」「むだになること」を意味し、中世以降、「矢だうな」〔平家‐九〕をはじめ、「手間だうな」「暇だうな」などと見える。したがって、「目だうな」は「見るのも無駄、無益なこと(もの)」が原義で、そこから「体裁のわるいこと」「見苦しいもの(さま)」の意味になったと考えられる。その後、撥音化して「メンドウナ」となって定着し、意味も変化して、語源がわからなくなり、やがて「メンドウ」という発音に引かれて「面倒」という表記がされるようになったものと思われる。→どうな〔語素〕
めんど・い【面倒】
〘形口〙
① 面倒である。めんどうくさい。めんどうしい。
※浄瑠璃・三荘太夫五人嬢(1727)三「ヱヱ面倒(メンド)いと二人を振切り」
② みっともない。見苦しい。醜い。
※浄瑠璃・雕刻左小刀(1791)六「塗でも兀(はげ)ては大分めんとい」
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