黄櫨(読み)ハジ

デジタル大辞泉 「黄櫨」の意味・読み・例文・類語

はじ【黄櫨/×櫨】

ハゼノキの別名。
かさねの色目の名。表は赤、裏は黄。一説に、表は黄、裏は萌葱もえぎ
黄櫨色」の略。

こう‐ろ〔クワウ‐〕【黄×櫨】

ハゼノキの別名。
黄櫨染こうろぜん」の略。

はぜ【黄櫨/×櫨】

ハゼノキの別名。 実=秋 花=夏》「―の実のしづかに枯れてをりにけり/草城

はぜ‐の‐き【黄櫨/×櫨】

ウルシ科の落葉高木。関東以西の暖地自生。葉は4~6対の小葉からなる羽状複葉で、秋に紅葉する。雌雄異株。5、6月ごろ、黄緑色小花が円錐状に集まって咲く。果実楕円形で白く、果皮からろうをとる。琉球はぜ。はぜうるし。はぜ。はじ。はじのき。

はにし【黄櫨】

ハゼノキの古名。〈和名抄

はじ‐の‐き【黄櫨】

はぜのき

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精選版 日本国語大辞典 「黄櫨」の意味・読み・例文・類語

はじ【黄櫨・櫨】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 植物「やまうるし(山漆)」の古名。
    1. [初出の実例]「梔。此をば波茸(ハジ)と云」(出典日本書紀(720)神代下)
  3. 植物「はぜのき(黄櫨)」の異名
  4. (かさね)色目の名。の紅葉を連想させる色として表は赤で裏は黄。一説では表は黄で裏は萌黄晩秋初冬に用いた。
    1. [初出の実例]「うすやう・もみぢば・はじ、又紅にて、裏はいろいろなるもき」(出典:栄花物語(1028‐92頃)紫野)
  5. はじいろ(黄櫨色)」の略。

はぜ‐の‐き【黄櫨・櫨】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ウルシ科の落葉高木。昔、琉球から渡来したもので、実から蝋(ろう)を採るために栽培されていたものが野生化し、今では、本州の関東以西・四国・九州の暖地に生える。高さ一〇メートル、径六〇センチメートルに達する。葉は奇数羽状複葉で七~一五枚の小葉からなり、枝先に密に互生し、秋に紅葉する。雌雄異株。初夏葉腋から長さ約一〇センチメートルの円錐花序を下垂し、小さな黄緑色の五弁花が群がって咲く。果実は径約一センチメートルの楕円形で白く熟し、蝋が採れる。材は器具用。漢名、紅包樹。はぜ。はじ。はじのき。ろうのき。りゅうきゅうはぜ。はにじ。〔書言字考節用集(1717)〕
  3. 植物「やまうるし(山漆)」の異名。

こう‐ろクヮウ‥【黄櫨】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 植物「はぜのき(黄櫨)」の漢名。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕
  3. こうろぜん(黄櫨染)」の略。
    1. [初出の実例]「雑染用度 黄櫨綾一疋、櫨十四斤、蘇芳十一斤、酢二升、灰三斛、薪八荷」(出典:延喜式(927)一四)

はぜ【黄櫨・櫨】

  1. 〘 名詞 〙
  2. はぜのき(黄櫨)」の異名。〔饅頭屋本節用集(室町末)〕
  3. 植物「やまうるし(山漆)」の異名。
  4. 植物「さぎごけ(鷺苔)」の異名。〔日本植物名彙(1884)〕

はじ‐の‐き【黄櫨・櫨】

  1. 〘 名詞 〙 植物「はぜのき(黄櫨)」の異名。《 季語・夏 》 〔天正本節用集(1590)〕

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動植物名よみかた辞典 普及版 「黄櫨」の解説

黄櫨 (ハゼノキ・コウロ;ハゼ)

学名:Rhus succedanea
植物。ウルシ科の落葉高木,園芸植物,薬用植物

黄櫨 (ハゼノキ)

植物。ウルシ科の落葉小高木,薬用植物。ヤマウルシの別称

黄櫨 (ハゼ)

植物。ウルシ科の落葉小高木,薬用植物。ヤマハゼの別称

黄櫨 (ハゼ)

植物。ゴマノハグサ科の多年草。サギゴケの別称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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