ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チーグラー=ナッタ触媒」の意味・わかりやすい解説
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…ニッケル以外の種々の遷移金属の化合物の効果を検討したなかで,トリエチルアルミニウムと四塩化チタンの混合系によってエチレンの重合が容易に起こることがわかったのである。 この発見はイタリアのG.ナッタによって発展させられ,それまで非常に重合しにくいとされていたプロピレンが,類似の触媒であるトリエチルアルミニウム‐三塩化チタン系(チーグラー=ナッタ触媒Ziegler‐Natta catalyst)によって容易に重合することがわかった。とくに,この重合反応で得られるポリプロピレンは立体的にきわめて規則正しい分子構造をもつことがわかり,そのようなポリマー(重合体)――立体規則性ポリマーという――を与える反応,すなわち立体特異性重合という,それまでになかった新分野がひらかれた。…
…1953年にドイツのK.チーグラーはトリエチルアルミニウム‐四塩化チタンAl(C2H5)3‐TiCl4(いわゆるチーグラー触媒)を用いてエチレンを重合し,高密度ポリエチレンをつくることに成功した。イタリアのG.ナッタはこのチーグラー触媒の改良研究を進め,54年,トリエチルアルミニウム‐三塩化チタンAl(C2H5)3‐TiCl3(チーグラー=ナッタ触媒と呼ばれる)によってプロピレンが重合し,結晶性,高融点のポリプロピレンが得られることを発見した。この結晶性ポリプロピレンの発明は高分子における立体規則性重合の端緒となったもので,チーグラーとナッタはともに63年のノーベル化学賞に輝いた。…
※「チーグラー=ナッタ触媒」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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