化学浸透圧説

栄養・生化学辞典 「化学浸透圧説」の解説

化学浸透圧説

 ミッチェル説ともいう.酸化的リン酸化および光リン酸化によってATPが生成する機構としてP. D. Mitchellにより提唱された説で,膜を介するH濃度勾配による膜電位差をエネルギー源としてATPが生成するとする説.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の化学浸透圧説の言及

【酸化的リン酸化(酸化的燐酸化)】より

…酸化還元のエネルギーをATP合成のエネルギーに変換する反応の機構は長い間のなぞであった。しかし1966年ミッチェルP.Mitchellは,(1)呼吸鎖電子伝達反応が進行する際に,Hが膜を横切って一方から他方へ定方向的に輸送され,(2)その結果として生じるHの偏在がATP合成のエネルギー源となる,という2点を骨子とする化学浸透圧説chemiosmotic hypothesisを提唱した(図参照)。約10年に及ぶ論争を経てこの独創的な学説は承認され,ミッチェルは78年度のノーベル化学賞を受けた。…

※「化学浸透圧説」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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