《エソポのハブラス》(読み)えそぽのはぶらす

世界大百科事典(旧版)内の《エソポのハブラス》の言及

【伊曾保物語】より

…最初の30話はイソップの逸話,のちの64話が動物の寓話である。《イソップ物語》は,1590年(天正18)スペインの宣教師バリニャーノによって日本にもたらされ,九州天草で《エソポのハブラス》として日本語訳ローマ字で印刷された。これが,日本における最初の西洋文学の翻訳本である。…

【寓話】より

…寓話の教訓は伝統的に処世の知恵を説く現世的なものだが,中世の教会で説教に引用されることも多く,教科書としての役割とあいまって広く親しまれた。イエズス会が教化に用いていたイソップ寓話集が宣教師によって日本に伝えられたのが天草本《エソポのハブラス》(1593)で日本におけるヨーロッパ文学翻訳の嚆矢(こうし)となった。ルネサンス期フランスでは寓話として見るべき作品はないが,17世紀にJ.deラ・フォンテーヌが韻文による《寓話》(1668‐94)を刊行して伝統を一新した。…

※「《エソポのハブラス》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」