《言語学と詩学》(読み)げんごがくとしがく

世界大百科事典(旧版)内の《言語学と詩学》の言及

【詩学】より

… ナチス侵攻を前にしてヨーロッパから北アメリカに脱したヤコブソンは,第2次大戦後,情報理論やパース記号論の諸概念を導入して構造詩学の定式化を行う。《言語学と詩学》(1960)がそれで,この論文は戦後の構造詩学の出発点となったし,レビ・ストロースとの共同研究《ボードレールの〈猫〉》の構造分析は〈無意識的なものの意識化〉を目ざす構造主義の詩学の範となった。これより先,レビ・ストロースはプロップの《魔法昔話の形態論》やフォルマリズム詩学,プラハ言語学派の機能構造言語学の成果を踏まえてオイディプス神話の分析を行っているが,これはのちのC.ブレモン,A.グレマス,R.バルト,Ts.トドロフ,A.ダンダスらの物語構造論を生み出す端緒となった。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」