うぶ毛(読み)うぶげ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「うぶ毛」の意味・わかりやすい解説

うぶ毛
うぶげ

一般にうぶ毛とよんでいるのは軟毛のことで、本来のうぶ毛は毳毛(ぜいもう)ともいい、胎生期に一次毛包から発生した一次毛をさす。これは約0.05ミリメートルの細さで、長さも数ミリメートルしかない。柔らかくてメラニン色素に乏しく、淡色である。胎生期間中か出生時、遅くとも生後半月以内に毛交代がみられ、二次毛に生え代わる。この二次毛になっても、本来のうぶ毛に類似したままのものが軟毛である。これは背部、臀(でん)部、上腕部に目だち、特定部位を除いた全身の大部分に存在する。二次毛の成長期は2か月で休止期が長く、その間に新しい毛が発生する。頭部、眉(まゆ)、わきの下、四肢など特定部位の二次毛は、さらに毛交代して硬毛(終毛)となる。硬毛には短毛、長毛、あるいは性毛などが含まれる。なお、毳毛が軟毛に変化せず、あるいは軟毛が毳毛に戻り、長い毳毛が密生しているものを毳毛性多毛症という。

[齋藤公子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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