朝日日本歴史人物事典 「カリフォルニアおけい」の解説
カリフォルニアおけい
生年:嘉永6?(1853)
明治初年,北米への初の日本移民中唯一の女性。会津(または庄内)藩の人。姓不明。初期移民哀史のシンボル的存在。横浜で輸入商を営み,会津・庄内藩に武器を売り,砲術師範もした松平武兵衛の名を持つE.W.スネルが維新に敗れた会津人を率い,明治2(1869)年カリフォルニア州エルドラド郡ゴールドヒルに「ワカマツ」植民地を建設しようとしたとき,自家の子守として同伴させたと伝えられる。資金不足・疫病などで植民は挫折,移民は四散,スネル失踪のあと,隣家のアメリカ人家族に愛され,欧米風家事・料理を学ぶが,風土病で19歳で死没。「おけいの墓」で有名。
(前山隆)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報