しゅうこうが手を出しはんろうが涙(読み)しゅうこうがてをいだしはんろうがなみだ

精選版 日本国語大辞典 の解説

しゅうこう が 手(て)を出(いだ)しはんろうが涙(なみだ)

(別離に際して、「しゅうこう」は短い手を精一杯長く差し出し、「はんろう」は懸命に喉をふりしぼって声をたて、別れてゆく者を引きとめようとする意。「はんろう」は「班婁」で、中国の魏の世の人の名とも、「斑狼」でまだらの狼ともいう) 尽きないなごりを惜しむさまをいう。
※光悦本謡曲・富士太鼓(1595頃)「かくあるべきと思ひなば、しうこうが手をいだし、はむらうが涙にてもとむべき物を」

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