トリプタン製剤とは

六訂版 家庭医学大全科 「トリプタン製剤とは」の解説

トリプタン製剤とは
(脳・神経・筋の病気)

 脳血管に選択的に作用するセロトニン作動薬の開発が行われ、セロトニン(5HT)の5HT 1B/1D受容体に選択的に作用するスマトリプタンがまずつくられ、頭痛期の片頭痛の50~70%に有効であることが確認されました。

 頭蓋内血管の平滑筋(へいかつきん)には5HT 1B受容体がありますが、スマトリプタンはここに作用し血管を収縮させる作用があること、また血管周囲の三叉(さんさ)神経に存在する5HT 1D受容体にも結合し、サブスタンスPやCGRPなどの神経伝達物質の放出を抑えることが示されています。

 現在、日本ではスマトリプタン(イミグラン)の注射薬、鼻腔吸入薬、経口薬、およびゾルミトリプタン(ゾーミッグ)、エレトリプタン(レルパックス)、リザトリプタン(マクサルト)ナラトリプタン(アマージ)の経口薬が使用されています。

 血管の収縮作用があるので、虚血性(きょけつせい)心疾患や、コントロール不良の高血圧のある人では使用すると危険です。専門医によく相談してから使用してください。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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