ドリタラーシュトラ(英語表記)Dhṛṭạrātra

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドリタラーシュトラ」の意味・わかりやすい解説

ドリタラーシュトラ
Dhṛṭạrātra

インドの大叙事詩『マハーバーラタ』に登場するクル族の盲目の王。ガンダーラ国王の王女ガーンダーリーと結婚し,100人の王子の父となった。

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世界大百科事典(旧版)内のドリタラーシュトラの言及

【ビヤーサ】より

…しかし《マハーバーラタ》にその物語の展開と深くかかわる形で語られる,その書の著者としての伝説が本来のものであり,他の業績はこれに付加されたものといえる。彼は聖仙パラーシャラの息子であり,百王子の父ドリタラーシュトラと五王子の父パーンドゥの実質的父親にあたり,パーンドゥ五王子のひとりアルジュナに無敵の武器の入手法を教えるなど多くの助言をしている。戦争が終わり息子たちも死に絶えた後,彼はその経緯のすべてを物語る自作の詩を弟子のバイシャンパーヤナに伝え,その朗唱を模倣する形で吟唱詩人のウグラシュラバスが現形の《マハーバーラタ》を伝えたとされている。…

【マハーバーラタ】より

…ただし12~13の2巻は後世の追加部分と思われる大冊で,そこには戦争とは無関係な王の義務,バラモン扶養の義務,インド社会を特徴づける四つの階級(バルナ)の権利・義務,人生の四段階(アーシュラマ)における人間それぞれの権利・義務などを説き,また雄大な哲学的詩編もこの部分にみられる。 ベーダ文献にも知られていた名門バラタ族には,パーンドゥ王の5王子と,ドリタラーシュトラ王の100王子があり,彼らはいとこ関係にありながら,後者は前者の有徳と繁栄をねたんで,ことあるごとに5王子を陥れようとした。そのたくらみは100王子の長兄ドゥルヨーダナが5王子の長兄ユディシュティラを賭博に誘って打ち負かすことによって成功し(第2巻),5王子は辱めを受けたあげく領地を奪われ,12年間の国外追放を宣告される(第3巻)。…

※「ドリタラーシュトラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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