知恵蔵 の解説
ニューヨークシティマラソン
コースはニューヨーク市の5つの区全てを通り、マンハッタンでゴールとなる。大会前日には、国連広場からセントラルパークまで4キロメートルのインターナショナル・フレンドシップランが行われる。タイトルスポンサーは、アムステルダムに本社を置く金融業のING。1970年から毎年開催され、第1回大会の参加者は127人、完走者は55人。第42回目の開催となる2011年は、11月6日に開催され、男子はケニアのジェフリー・ムタイ選手が大会記録で優勝した。女子はエチオピアのフィレヒウォ・ダド選手が優勝。車椅子マラソン女子の部は米国のアマンダ・マクグローリー選手が、男子の部は日本の副島正純選手が制した。なお、本大会での日本人選手の優勝は、全部門を通して初めて。
大会はニューヨーク・ロードランナー協会(New York Road Runners、NYRR)が主催し、プロ、アマチュアを含め世界中からランナーが参加する。11年データ(10月18日時点)では、参加者のうち同協会の登録メンバーが26.8パーセントを占める。また、米国以外からの参加者のうち、日本人は504人で参加者数の13位。ちなみに1位はイタリア(3538人)、2位はフランス(3385人)、3位はドイツ(2187人)である。
00年からは公式に車いすの部が加えられ、09年に日本の土田和歌子が3位入賞を果たしている。
男女を合わせて過去最多優勝記録を持つのは、ノルウェーの女性選手、グレテ・ワイツで9勝。1978年から80年にかけては、世界最高記録での大会3連覇の偉業を成し遂げた。グレテ・ワイツは、2011年初頭にがんで亡くなったため、同年の大会は彼女に捧(ささ)げられると大会公式ウェブサイトで報じている。
大会記録は男子2時間5分5秒(11年ジェフリー・ムタイ)、女子2時間22分31秒(03年マーガレット・オカヨ)。
(葛西奈津子 フリーランスライター / 2011年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報