最新 地学事典 「ビゼー海進」の解説
ビゼーかいしん
ビゼー海進
Viséan transgression
ビゼー世における石炭紀最大の海進。下部石炭系は一般に海成層であるが,中期のNassaurian海退を境とする後のViséan海は先のTournaisian海よりはるかに広域。石炭系模式地の英国ではSt.George陸域の北に広がり,デボン系以下を不整合で覆う。北米でも隣接地域の上昇の影響で砕屑岩を伴うChesterian海成層が広域的不整合で発達する。日本では鬼丸海進がこれに相当。この海進はいわゆる優地向斜海から陸棚海域への転化を表し,鬼丸統の模式地である南部北上山地では,鬼丸統は先Viséan系を顕著な傾斜不整合で覆う(清水褶曲)とされた。現在ではこの不整合は否定されているが,鬼丸統やその相当層などの海成層が日本各地に広く分布するのは事実で,この海は中国の天山海進と連なり,アジアに広がった。
執筆者:沖村 雄二・永広 昌之
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

