ショ糖(サッカロース)を加水分解することをいう。ショ糖を加水分解すると、最初に右旋性であった液が加水分解が進むにしたがってしだいに左旋性に変わるので転化という術語が与えられた。転化がおこる理由は、比旋光度+66.5°のショ糖が加水分解されると、比旋光度-92.3°のD-フルクトースと+52.7°のD-グルコースが等モル量できる。D-フルクトースの左旋性がD-グルコースの右旋性に比較して大きいため、加水分解が進むにしたがい全体として左旋性に転じ、最終的には比旋光度-20°になるからである。転化によりできたD-フルクトースとD-グルコースの混合物を転化糖といい、ショ糖より消化吸収されやすく味もすこし異なるので、菓子類、食品などに用いられる。
[廣田 穰]
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