日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブランク・バース」の意味・わかりやすい解説
ブランク・バース
ぶらんくばーす
→無韻詩
→無韻詩
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…劇の要所要所にちりばめられた短詩(ソング)の抒情性も捨てがたいが,それより劇全体を歌い上げる弱強五歩格無韻の詩行が,自然でありつつ高められた声として,ほとんど完ぺきな詩的表現の媒体となっていた。〈ブランク・バース〉と呼ばれるものである。これは長く語り続ける英詩にとくに適した詩型であり,シェークスピアおよび同時代作家の劇作品だけでなく,次の時代のミルトンの叙事詩などでも,荘重な声域で活用された。…
… 言語についても同様である。中世的秩序を破って急膨張したルネサンスの知的・世俗的エネルギーは,シェークスピアのブランク・バース(弱強五歩格無韻詩型)において,最良の言語的表現を見いだした。この詩型は彼の先輩が発明したものであるが,彼の手によって,猥雑な洒落から最強度の詩的燃焼まで,自在な振幅と転調を表現しうるまでに完成された。…
…中世に入ってほとんど勢いを失った演劇は,聖史劇,道徳劇,笑劇として復活,ルネサンス時代にはめざましい開花を遂げる。その頂点をなすW.シェークスピアの数多くの傑作劇もその表現形式であるいわゆる〈ブランク・バースblank verse〉(弱強五歩格の無韻詩形)と不可分である。詩的高揚のみならず,きわめて論理的・散文的思考の表現にも適したこの詩形を,彼は完璧に使いこなした。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」