…主要な場面としては〈エルサレム入城〉〈ユダの裏切り〉〈最後の晩餐〉〈ゲッセマネの祈り〉〈キリスト逮捕〉〈ペテロの否認〉〈ピラトの審問〉〈カヤパの審問〉〈ユダの死〉〈むち打ち・あざけり〉〈いばらの冠〉〈十字架かつぎ(十字架の道行)〉〈磔刑〉などがあり,このほかこれに付随する諸場面も見られる。有名な受難図には,ラベンナのサンタポリナーレ・ヌオボ教会のモザイク(6世紀),多くの場面を持つドゥッチョ・ディ・ブオニンセーニャの《マエスタ》(1308‐11),ジョットの描いたパドバのスクロベーニ礼拝堂のフレスコ壁画(1305‐06)などがある。このほか,S.マルティーニの《十字架かつぎ》(1340ころ),レオナルド・ダ・ビンチの《最後の晩餐》(1495‐98ころ),ティントレットの《ピラトの前のキリスト》(1566‐67ころ),ルーベンスの《キリスト昇架》(1609‐10)と《キリスト降架》(1614)など,受難伝の一場面をとりあげた名作も数多い。…
…これら東方の原型は西ヨーロッパに導入され,ロマネスク期には木彫の礼拝座像の《上智の座》として表され,ゴシック期にはホデゲトリア型の伝統を継ぐ優美な聖母立像が多くの教会堂を飾った(パリのノートル・ダム大聖堂北袖廊正面,1250ころ,など)。中世末,イタリアのシエナを中心に新たな興隆が生じ,《荘厳像(マエスタMaesta)》などモニュメンタルな表現(ジョット作,フィレンツェのウフィツィ美術館,1310ころ,など)の一方,《授乳の聖母》《謙遜の聖母》などの,より人間的情感的な母子表現がしだいに優勢となった(アンブロージョ・ロレンツェッティ作,シエナのサン・フランチェスコ教会,1330ころ,など)。この傾向はさらに北方のフランドル,ドイツで発展をみた。…
…初期の大作《ルチェライの聖母》(1285委嘱)では,ビザンティン様式を基礎としながらも,ジョットほど革新的ではないが聖母子像に新しい生命力と人間性とを吹き込んでいる。また《マエスタ(荘厳の聖母)》(1311)は,板絵画家として,技術面だけではなく,物語描写において,彼が当時最も優れた画家の一人であることを立証している。【生田 円】。…
※「マエスタ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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