改訂新版 世界大百科事典 「ロンスキアン」の意味・わかりやすい解説
ロンスキアン
Wronskian
n階線形微分方程式,
においてp1(x),……,pn(x)はある区間Iで連続とする。(1)のn個の解y1(x),……,yn(x)から作られる行列式,
をそれらの解のロンスキアン,またはロンスキH.J.M.Wronski(1778-1853)の行列式という。これについては,Iに含まれる任意のx0,xに対し,
という関係が成り立つ。このことからロンスキアンがあるxに対して0となれば,じつは恒等的に0であることがわかる。W[y1(x),……,yn(x)]≠0であるとき,解y1(x),……,yn(x)は一次独立であるという。この場合には(1)の任意の解は定数c1,……,cnを適当に選ぶことにより,
y=c1y1(x)+……+cnyn(x)
と表すことができる。
執筆者:斎藤 利弥
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報