化学辞典 第2版 「シス-トランス異性」の解説
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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…分子式あるいはそれに対応する化学式は同じであるが,構成する原子の立体的な配列その他が異なるため,物理的および(または)化学的物質が異なる化学種が二つまたはそれ以上存在するとき,これらはたがいに異性体isomerであるといい,またこの現象を異性という。 異性現象の発見は有機化学の発展に大きな貢献をした。19世紀の最初の四半世紀の間に元素分析の技術は向上し,今日の分子式に相当するものがかなり正確に求められるようになってきた。…
…マレイン酸は加熱すると容易に水を失って無水マレイン酸になるのに対して,フマル酸は強熱しない限り水を失わず,そのうえ脱水生成物は無水マレイン酸であることから,二つのカルボキシル基が二重結合の同じ側にくるものをシスcis型,反対側にくるものをトランスtrans型と呼ぶようになった。 幾何異性体ないしシス‐トランス異性体は光学異性体と異なり,異性体間の物理的・化学的性質に著しい差がある場合が多いため,両者を分離することは比較的容易である。一般にトランス型に比べてシス型が不安定であるが,これは同じ側にある二つの置換基の間の立体障害によるものである。…
※「シス-トランス異性」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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