シンプレクティック行列(読み)しんぷれくてぃっくぎょうれつ(その他表記)symplectic matrix

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シンプレクティック行列」の意味・わかりやすい解説

シンプレクティック行列
しんぷれくてぃっくぎょうれつ
symplectic matrix

K上の2n次列ベクトルの空間K2nの交代二次形式

に対し、2n次正方行列A
  f(Ax, Ay)=f(x, y) (x, yK2n)
を満たすAを、2n次シンプレクティック行列という。

 2n次シンプレクティック行列全体Sp(n, K)は特殊線形群SL(2n, K)の部分群になる。これをK上の2n次シンプレクティック群という。体Kが実数体R、または複素数体Cのとき、Sp(n, R)とSp(n, C)は実リー群、複素リー群になり、無限系列をつくっている4種の、いわゆる古典群の一つになっている。

[菅野恒雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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