スプラトリー諸島(読み)スプラトリーショトウ(その他表記)Spratly Islands

翻訳|Spratly Islands

デジタル大辞泉 「スプラトリー諸島」の意味・読み・例文・類語

スプラトリー‐しょとう〔‐シヨタウ〕【スプラトリー諸島】

Spratly》⇒南沙なんさ諸島

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

知恵蔵 「スプラトリー諸島」の解説

スプラトリー諸島

南シナ海に点在する100余りの小島や環礁岩礁。中国、台湾、ベトナムフィリピン、マレーシア、ブルネイの6カ国・地域が諸島の一部あるいは全部の領有権を主張して争っている。事実上いずれも無人島だが、海上交通や軍事戦略上の要衝で、漁業資源や石油・天然ガスなど海底資源も豊富とされ、東南アジア最大の地域紛争火種になっている。中国とベトナムの間では1974年と88年に武力衝突が発生。中国は冷戦後の東アジアにおける米国・ロシアの軍事プレゼンス低下の間隙を縫うようにして海軍力を強化すると共に、92年に新領海法を制定して同諸島の領有を明記した。これが関係国を刺激して緊張が高まったのを受け、同年7月、ASEAN外相会議は領有権問題を棚上げして平和的解決に向けて共同で海域資源の調査研究や開発を進めることなどを盛り込んだ南シナ海宣言を採択。だが、その後もフィリピンが実効支配しているとされるミスチーフ環礁に中国やマレーシアが「漁民の避難施設」などとして建物を建造したことから漁民の拿捕(だほ)や銃撃事件が続発。その後、関係国間で紛争を避けるための行動規範が協議され、2002年のASEANと中国の首脳会談で紛争の平和的解決を目指す「南シナ海行動宣言」が成立した。05年3月、中国、フィリピン、ベトナムの3カ国の石油会社は海底資源の共同探査で合意したが、背景には主権問題の解決を棚上げしても資源開発を優先させたいとする中国の強い意思がある。08年2月台湾の陳水扁(チェン・ショイビエン)総統が南沙諸島太平島を訪問、中国をはじめ関係各国の強い反発を招いた。

(大野拓司 朝日新聞記者 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スプラトリー諸島」の意味・わかりやすい解説

スプラトリー諸島
スプラトリーしょとう

「ナンシャー(南沙)群島」のページをご覧ください。

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