フンテ,O.(読み)ふんて

世界大百科事典(旧版)内のフンテ,O.の言及

【メトロポリス】より

…1924年にアメリカを訪れたラングが,ニューヨーク港の船上からマンハッタンの摩天楼を望見してアイデアを得たという21世紀の未来都市の物語である。700万マルクともいわれるドイツ映画空前の巨費を投じ,2年がかりで完成された4時間を超える超大作で,撮影所のステージのなかに摩天楼や地下工場などを設計したオットー・フンテの表現主義的なセットの造型技術と,レンズのわきに鏡を備えつけてミニチュアを拡大し,実物とセットを合成したオイゲン・シュフタンの特殊撮影技術(〈シュフタン・プロセス〉と呼ばれた)が評判になったが,最後に独占資本家と労働者の代表が和解して握手するという労資協調をうたう主題は,〈図式的なスペクタクル〉〈映画技法的には比類なき成功作だが人間的見地からは恐るべき無知を暴露した駄作〉(ジークフリート・クラカウアー)と批判された。イギリスとアメリカでは5巻分がカットされたプリントが公開され,H.G.ウェルズは〈愚劣きわまる〉と酷評している(それに対し,コナン・ドイルはこの映画に熱狂したと伝えられる)。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」