改訂新版 世界大百科事典 「ラッカセイ(落花生)油」の意味・わかりやすい解説
ラッカセイ(落花生)油 (らっかせいゆ)
peanut oil
ラッカセイの種子(豆)を冷却下で圧搾して得た油。淡黄色ないし淡緑黄色のかすかな特有の香りをもつ。比重d15=0.915~0.921,凝固点0~3℃,ケン化価188~197,ヨウ素価82~109。不ケン化物を0.2~9.1%含有する。主成分はオレイン酸のグリセリド(42.3~61.1%)で,ほかにパルミチン酸,ステアリン酸,リノール酸,ヒポゲイン酸C16H30O2,アラキン酸C20H40O2などのグリセリドの混合物。弱い不乾性油である。ベンゼン,クロロホルム,四塩化炭素,エーテルなどの有機溶媒に可溶,アルコールに難溶。良質の食用油で,オリーブ油の代用としてサラダ油に,またマーガリンの原料として使用される。工業用としてはセッケン原料,繊維処理剤,減摩剤とされ,古くは灯用,タバコの添加物として用いられた。南・北アメリカ,中国,インドおよび地中海沿岸が主産地である。
執筆者:内田 安三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報