…しかし,50年代の後半には,それまでIMFを中心的に支えていたアメリカの地盤低下に加え,ヨーロッパ諸国が力強い復興により通貨の交換性を回復し8条国(IMF協定上,戦後の過渡期において国際収支上の理由から例外的に為替制限の維持を認められている国を14条国,協定どおり,これらの制限の除去の義務を受諾した国を8条国という)に移行し,日本も遅ればせながら64年に8条国に移行するに及び,ドルの信認低下に対処するための施策が中心課題となった。かかる背景のもとに先進諸国は,金相場安定協定,金プール協定,中央銀行間のスワップ協定,金の二重価格制,利子平衡税(アメリカ)等をつぎつぎに打ち出したが,IMF自身としても,1962年には従来の資金源の枠外に,主要加盟国10ヵ国(アメリカ,イギリス,西ドイツ,フランス,イタリア,日本,カナダ,オランダ,ベルギー,スウェーデン)による発足時60億ドルのいわゆる一般借入取決め(GAB)によるスタンドバイ形式の資金(スタンドバイ・クレジット)増加を決定し,大口貸出しに対処することにした。この構成メンバーである10ヵ国(G‐10)は,その後の通貨制度改革や国際金融上の重要事項決定につき随時会合し(10ヵ国蔵相会議),大きな役割をもつに至った。…
※「一般借入取決め」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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