久那斗神(読み)クナドノカミ

朝日日本歴史人物事典 「久那斗神」の解説

久那斗神

道の分岐点で,旅人道中の安全をはかる神。『日本書紀』の神話に登場し,伊奘諾尊黄泉の国で雷神に追いかけられたときに杖を投げ,「これ以上来るな」といったので,その杖をクナドノカミと名づけたとある。道饗祭の祝詞では,道の分岐点で魔物を防ぐ「八衢ひこ,八衢ひめ,くなど」のことが語られている。クナドノサエノカミともいう。クナドは「来るなという入り口」の意。『古事記』では船戸神(フナドノカミ)と呼ばれるが,これだと「通過するなという入り口」の意となる。サエノカミは「塞の神」。クナド,フナド両神も,外部から邪霊が侵入するのを防ぐ神で,のちに,これらはすべて道祖神として信仰を集めた。

(西條勉)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

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