久那斗神(読み)クナドノカミ

朝日日本歴史人物事典 「久那斗神」の解説

久那斗神

道の分岐点で,旅人道中の安全をはかる神。『日本書紀』の神話に登場し,伊奘諾尊黄泉の国で雷神に追いかけられたときに杖を投げ,「これ以上来るな」といったので,その杖をクナドノカミと名づけたとある。道饗祭の祝詞では,道の分岐点で魔物を防ぐ「八衢ひこ,八衢ひめ,くなど」のことが語られている。クナドノサエノカミともいう。クナドは「来るなという入り口」の意。『古事記』では船戸神(フナドノカミ)と呼ばれるが,これだと「通過するなという入り口」の意となる。サエノカミは「塞の神」。クナド,フナド両神も,外部から邪霊が侵入するのを防ぐ神で,のちに,これらはすべて道祖神として信仰を集めた。

(西條勉)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む