交換電流密度(読み)コウカンデンリュウミツド

化学辞典 第2版 「交換電流密度」の解説

交換電流密度
コウカンデンリュウミツド
exchange current density

電極反応の進行に伴って流れる全電流は,酸化方向の電流(部分アノード電流とよび,通常正とする)と還元方向の電流(部分カソード電流とよび,負とする)の和として表される.電極反応が動的平衡状態にある場合には,部分アノード電流と部分カソード電流の絶対値は等しくなり,これを交換電流といい,電極の単位面積(通常,見掛け表面積が用いられる)当たりの交換電流を交換電流密度という.電極反応に関与する化学種が,すべて標準状態にある場合(これらの化学種の活量がすべて1 )の交換電流密度を標準交換電流密度という.簡単な電極反応

aA + ne bB

に対しては,交換電流密度 i0 は次式で表される.

i0nFk0(cAa)1-α (cBb)α

ここに,k0 およびαは電極反応の標準速度定数および移動係数,cA および cB はそれぞれAおよびBの溶液母体中の濃度,Fファラデー定数である.交換電流密度は種々の電気化学緩和法を用いて測定することができる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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