知恵蔵 「仙台七夕まつり」の解説
仙台七夕まつり
全国各地で古くから行われている民間の年中行事の一つ、七夕行事がベース。仙台では「タナバタさん」と呼ばれ親しまれてきた。第1次世界大戦などによって衰退していたが1927年、不景気を吹き飛ばそうと商家の有志たちによって華やかな七夕飾りが復活した。第2次世界大戦でも街から消えたが、終戦後に再び復活し、やがて現在のような一大観光イベントへと変貌していったという。
仙台七夕まつりの特徴とされる豪華な笹飾りは、「紙衣」「折鶴」「短冊」「投網」「屑籠(くずかご)」「巾着」「吹き流し」などがあり、それぞれ厄よけ、家内安全、学問の上達、豊漁・豊作などの願いが込められている。期間中は関連するイベントが催され、昼に夜ににぎわう。仙台七夕まつり協賛会によると、2010年は3日間で235万人を超える人出があったという。
東日本大震災が発生した2011年は、被災地の願い事を短冊に書いてもらって飾るなど、「復興と鎮魂」をテーマに開催されることになった。被災地を元気付けようと、京都からも初めて祇園祭の長刀鉾(なぎなたぼこ)のおはやしなどがまつりに参加するという。
(原田英美 ライター / 2011年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報