…丸太をくりぬいたり,木や竹などの骨組に獣皮や樹皮をはりつけた舟。語源は,カリブ海のハイチ島の原住民の舟canoaに由来する。木から造られるカヌーは,形態的な特徴から四つの型に分けられる。最も単純な型は,1本の丸太をくりぬき船体とする丸木舟(くり舟)である。丸木舟は,日本では縄文時代から使用されており,ヨーロッパでも先史時代から全域にわたって用いられていた。現在それらの地域では,ほぼ板張り舟にとって代わられてしまったが,アフリカ,インド,東南アジア,ニューギニア,南アメリカなどでは,おもに河川交通や漁労に大きな位置を占めている。…
…人や物を乗せて水上を渡る乗物。これが一般的な定義であるが,現在では水面下を行動する潜水船や,空気圧によって水面上を浮上して走行するエアクッション船もあり,これらも広く船に含めている。慣例では,大型のものには〈船〉,ごく小さいものには〈舟〉を用いるのがふつうである。なお,法規上は〈船舶〉という語が使われる。
【船の歴史】
ごく初期の舟には,大別して三つの構造様式がある。それは(1)丸木舟,(2)いかだ,(3)動物の革(皮)の舟である。…
…木の幹を刳りくぼめて作った舟。刳舟ともいい,独木舟とも書く。舟のなかで最も原始的な形をとどめるもので,世界各地で用いられたことが知られている。…
※「刳舟」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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