半四郎鹿の子(読み)ハンシロウカノコ

デジタル大辞泉 「半四郎鹿の子」の意味・読み・例文・類語

はんしろう‐かのこ〔ハンシラウ‐〕【半四郎鹿の子】

《江戸後期の歌舞伎俳優、5世岩井半四郎が用いて流行したところから》麻の葉文様の鹿の子絞り

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の半四郎鹿の子の言及

【麻の葉模様】より

…【一条 薫】
[風俗]
 アサはじょうぶに直立して生長するところから,これにあやかって江戸時代から子どもの着物の模様,とくに下着類に多く用いられた。これを絞(しぼり)にした麻の葉鹿の子は半四郎鹿の子という。1809年(文化6)3月,八百屋お七の追善興行を江戸森田座で行った際,5世岩井半四郎がお七を演じて大好評をえたとき用いた模様がそれで,江戸の女たちの半えり,下着,そで,すそまわしなどに流行した。…

【染色】より

…しかし結鹿の子に対するあこがれは強く,富裕な町人の婚礼などには欠くことのできぬものとして,総鹿の子の振袖や打掛がつくられてきた。江戸後期には鹿の子の愛好がより底辺にまで広がり,歌舞伎の舞台衣裳から半四郎鹿の子という浅葱麻の葉文様の鹿の子の流行なども生じた。流行は地方にも波及し,京都の絹布の絞に対して,木綿の絞が出現した。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」