…《古事記》によれば,伊邪那岐(いざなき)神が筑紫の日向の阿波岐原(あはきはら)で禊をしたときに生成した三柱の綿津見神を祖神と仰ぎ,《新撰姓氏録》では海神綿積豊玉彦神の子穂高見命の子孫とされている。阿曇氏は早くより海人を支配しており,《日本書紀》に,応神天皇のとき,阿曇連(むらじ)の祖大浜宿禰(すくね)を遣わして諸所の海人の騒ぎを鎮めさせ,宿禰を〈海人之宰(海人の統率者)〉としたとあるのも,これまでの阿曇氏の立場が公認されたことを示すものであろう。履中天皇のとき,阿曇浜子が住吉仲皇子(すみのえのなかつのみこ)の反に加担して黥刑(げいけい)に処されたので入墨を阿曇目と称したという。…
…海人部とも記す。《日本書紀》によれば,応神天皇3年諸国の海人の騒ぎを鎮めた大浜宿禰(すくね)(阿曇氏の祖)を海人の統率者とし,同5年海部を定めた,という。《古事記》もまた海部を定めたのが応神朝であることを伝えている。…
※「大浜宿禰」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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