…伝説としては,兄弟を弔って諸国を廻国して没した虎御前をまつったとする虎石も多く,福島県から鹿児島県にまで分布している。また虎石,虎ヶ塚,虎石塚と称されるものの中には大磯の虎や曾我兄弟と無関係なものがあり,《本朝神仙伝》や《元亨釈書》には聖山の禁を犯して吉野山に登ろうとした都藍尼(とらんに)の伝説を伝え,高野山,立山,白山にも同様な都藍尼の登山の伝説があることからすると,虎石,虎ヶ塚などの遺跡は,本来,トラ,トラン,トウロなどと称された廻国の巫女の足跡ではなかったかと考えられている。虎御前の名は,このような廻国の巫女の系統を引く盲御前の名で,中世には箱根山を根拠地として,その信仰や物語を唱導する熊野比丘尼系の盲御前の名称となり,農村生活に深い関係のある悪霊鎮圧の物語を語りつつ廻国を続けたものと考えられる。…
※「大磯の虎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
菊の節供,九月節供,重九 (ちょうく) ともいう。五節供の一つ。旧暦9月9日の節供で,奈良時代より,宮中では天皇が紫宸殿に出御し,群臣に宴を賜わり詩歌文章をつくらせる菊花の宴が行われ,年中行事となった...