旺文社世界史事典 三訂版 「文学改良芻議」の解説
出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報
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…1917年帰国し北京大学哲学科教授となる。この年発表された《文学改良芻議》は,文学革命の発火点となった。また,従来の儒学を正統とする価値観を脱して論理的思考の発達を考案した《中国哲学史大綱》(上巻,1919刊)を書いて学術界に強い衝撃を与えた。…
…【小川 環樹】
【文学革命から人民文学へ(20世紀)】
中国の近代文学は,1910年代末の文学革命によって幕を開けた。そのきっかけを作ったのは,胡適が17年1月に雑誌《新青年》に発表した〈文学改良芻議〉で,形骸化した文語文にかわって俗語・俗字を使用し,〈今日の文学〉をつくろうというその主張は,大きな衝撃を与えた。ついで,陳独秀が〈文学革命論〉を発表してこれに呼応し,〈国民文学〉〈写実文学〉〈社会文学〉を提唱するにおよんで,〈文学革命〉は時代の合言葉となった。…
…この雑誌はのちに中国共産党の機関誌となったが,当初は自由主義を唱え,封建的重圧からの人間解放,とくに儒教倫理と家族制度の打倒を目標としていた。これに17年1月,アメリカ留学中の胡適が〈文学改良芻議〉を寄稿した。彼は精神の自由な発展を望むなら,まず文学を古い文語体のもつ桎梏から解放し,自由な口語を駆使して新しい文学を創造すべきであると主張した。…
…中国で1917年,アメリカ留学中の胡適が《新青年》誌に寄せた論文〈文学改良芻議〉に端を発した白話(口語)文学運動。胡適論文は,文語表現が古人の模倣に終始し,対句や典故,常套語を濫用し形式主義に陥っているとして批判,いかなる時代もその時代独自の文学を創造すべきであり,俗字俗語をもまじえた言文一致の白話文学こそ今日の文学でなければならないと提唱し,その主張を8項目にまとめたものである。…
※「文学改良芻議」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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