朝日日本歴史人物事典 「日下寛」の解説
日下寛
生年:嘉永5(1852)
近代の漢学者,歴史家。号勺水。下総国古河(茨城県古河市)に生まれる。修史局の第2局乙科に属して,考証史学の興起に参加した。江戸幕府の修史事業の成果を認め,水戸藩の『大日本史』を擁護する栗田寛と対立した。『文科大学史誌叢書』の編者。漢学の結社である旧雨社の古参の同人で,川田甕江(剛),重野安繹の両大家の没後には,漢学者を廻瀾社に結集して重きをなした。<著作>『豊公遣文』『豊公年譜』『鹿友荘文集』<参考文献>牧野謙次郎『日本漢学史』,福井保『江戸幕府刊行物・解説編』
(秋元信英)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報