母権論(読み)ぼけんろん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「母権論」の意味・わかりやすい解説

母権論
ぼけんろん

母権

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の母権論の言及

【家族】より

…しかしその後の人類学者の研究の結果,彼の学説には否定的見解が多く出されている。 家族についての先駆的研究としては,これ以前に代表的なものとしてバッハオーフェン《母権論》,H.J.S.メーン《古代法》(ともに1861),フュステル・ド・クーランジュ《古代都市》(1864)が挙げられよう。《母権論》は,原初的雑交Hetärismus期に次いで母権制あるいは女人政治制Gynaikokratieを想定し,父権制に先行するものとした。…

【バッハオーフェン】より

…スイスのバーゼル大学のローマ法教授であったが,西洋古典神話に大きな関心をもち,ことに《母権論Das Mutterrecht》(1861)の著者として知られている。彼は社会を進化論的に段階づけて,アフロディテ女神によって象徴される〈泥沼的生殖関係〉の時代,次にデメテル女神によって象徴される〈母権〉ないし〈女人政治制〉の時代,最後にアポロ男神によって象徴される〈父権〉の時代がきたと論じた。…

【母権制】より

…(1)財産や集団の成員権などが母系をたどって伝えられ(母系制),(2)婚姻生活が妻方の共同体で営まれ(妻方居住婚),(3)家族内外で女性が優越的地位を有する(家母長制)という一連の要素を内包する社会制度をさす。《母権論》(1861)を著し原始母権制説を唱えたバッハオーフェンによれば,人類の最も原始的な段階では乱交的性生活が営まれ,血縁関係は母系的にたどられた。子どもは母方に居住し,確実に知られる唯一の親として母親が尊敬された。…

※「母権論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android