…古くから水田耕作を主とする日本では,農業用水の確保のため,いたるところで水源涵養林がみられた。その名称も多く,田山(たやま),水林(みずばやし),水の根林(ねばやし)などが代表例である。一般に林政に意を用いた藩では,水源林の管理は厳しく,〈水の目御山の儀は御用材たりとも一切きり出し申さず堅く御差しとめ成り置き候 御山法の事〉(弘前藩)として禁伐している。…
…かつては〈森〉よりも〈山〉〈林〉の用語が多用され,近世各藩の管理する森林は〈御林(おはやし)〉〈御山(おやま)〉であり,村民が利用する森林は〈村持山(むらもちやま)〉〈郷林(ごうばやし)〉であった。また水源涵養(かんよう)林は〈水林(みずばやし)〉とか〈田山(たやま)〉と呼ばれ,海岸の防風・防砂林は〈風除林(かぜよけばやし)〉とか〈砂留山(すなどめやま)〉と呼ばれていた。明治期以後に外国語の訳語としてWald(ドイツ語),woodに〈森〉をあてたのが見られるようになった。…
※「田山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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