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祈親 きしん

朝日日本歴史人物事典の解説

祈親

没年:永承2.2.2(1047.3.1)
生年:天徳2(958)
平安中期の僧。高野山復興につとめた3大勧進上人の随一。諱は定誉。大和(奈良県)出身か。60歳(一説に62歳)で高野山に登るまでの経歴は不明だが,南都系の法華経信仰に専念する聖,すなわち持経聖として出発し,修験道と絡む密教および念仏信仰に身を捧げ,諸国を勧進回国していたらしい。長谷寺観音の夢告により長和1(1012)年ごろ,高野山に登り,雅真の没後,再び荒廃した山上伽藍の復興を推進。自ら厳寒を防ぐ方法を発明して同志と共に常時山上に留まり,配下の勧進聖(仏道をすすめて歩く民間の僧)を動員して諸国の人々に高野山との結縁を勧めるかたわら浄財を募集。貴族の間で人望の厚かった仁海と結んで彼らからも寄付を集め,ついに復興を実現した。彼自身は在山30年,一介の下級客僧のまま入寂。祈親成功の背景には,高野山は浄土という信仰の広がりがあり,彼を指導者と仰ぎこの信仰を全国に鼓吹した名も知れぬ勧進聖たちこそ,復興の真の立役者であった。<参考文献>五来重『増補/高野聖』,日之西真定「祈親上人伝記覚え書」(『高野時報』1645.47.48.50~52.55~60.64.66.71.1716.19.21.23~29号)

(正木晃)

出典|朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について | 情報

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