朝日日本歴史人物事典 「箕浦元章」の解説
箕浦元章
生年:弘化1.11(1844)
幕末の土佐(高知)藩士。堺事件当事者。高知城下,小姓組格の儒家に誕生。17歳で前藩主山内容堂(豊信)の侍読になり,扈従を勤めて馬廻に昇格。慶応3(1867)年11月藩の第6番隊長に任じ上京。鳥羽・伏見の戦後は大坂に駐屯し,堺警備を担当。翌4年2月15日,フランス軍艦が堺沖を測量し,警備の制止を無視して不法上陸したため土佐藩兵が水兵16人を殺傷した(堺事件)。外交関係の悪化を恐れた政府の意向を受け,土佐藩当局は隊長箕浦ら11人を切腹,9人を城下追放の刑に処した。2月23日堺妙国寺で内外検死人注視のなか,朝命に殉じ壮烈な切腹で果てた。享年24。
(福地惇)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報