朝日日本歴史人物事典 「粟田口有国」の解説
粟田口有国
鎌倉初期の刀工。京都粟田口に住した。粟田口に刀鍛冶が住んでいたことは『宇治拾遺物語』にも記されているが,実際に作品から認められる刀工は建久(1190~99)ごろの国友が最も古く,その5番目の弟に有国がいる。有国の作品は少なく,伊勢神宮所蔵の太刀が1点あるにすぎない。この太刀は細身,小鋒で,刃文は細直刃の京物らしい優美さをよく示している。国友にはこの有国のほか,久国,国安,国清,国綱の弟がおり,粟田口派として鎌倉末期までその門葉が大いに繁栄した。
(原田一敏)
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