最新 地学事典 「菱刈鉱山」の解説
ひしかりこうざん
菱刈鉱山
Hishikari mine
鹿児島県伊佐市にある浅熱水金銀鉱脈鉱床。白亜系四万十累層群の砂岩・泥岩およびこれを覆う更新世前期の菱刈下部安山岩類に胚胎。菱刈下部安山岩類は下部でプロピライト化しており,これ以深に本鉱床,山田鉱床,山神鉱床の平行脈群が分布。鉱脈の主要走向はN50°E,傾斜75°N~垂直。鉱石はスメクタイトを伴う石英・氷長石脈中に金,ナウマン鉱,濃紅銀鉱,輝安銀鉱,含銀四面銅鉱,黄銅鉱,閃亜鉛鉱,方鉛鉱,黄鉄鉱,白鉄鉱を含み,後期に輝安鉱が晶出。鉱脈中央部に65℃の温泉水が残存。鉱化年代は1.2~0.8Ma。地表部の鉱脈は18世紀から小規模に稼行されたが,地下の富鉱部は1981年発見。日本最大の金埋蔵量をもち世界的にも高品位で著名。2018年までの粗鉱生産量は5,462t(Au 44.3ɡ/t),埋蔵量は7.98Mt(Au 20.91ɡ/t)。
執筆者:森下 祐一・渡辺 寧
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

