朝日日本歴史人物事典 「藤原通季」の解説
藤原通季
生年:寛治4(1090)
平安末期の公卿。権大納言藤原公実と但馬守藤原隆方の娘(光子)の子。代々天皇家の外戚であり,また母が堀河・鳥羽両天皇の乳母であったことから9歳で叙爵,他の異母兄弟より早く官位昇進した。鳥羽天皇の蔵人頭から永久3(1115)年参議となり,左中将・左衛門督を経て,正三位権中納言に至る。また同母妹璋子が鳥羽天皇中宮となったことから,中宮権大夫となった。豊原時元より笙を学ぶ一方,美声の持ち主でもあり,今様を歌って熱病を克服した話が伝わる。長身の人であったようだ。摂家に次ぐ家格の清華家のひとつである西園寺家の祖。
(渡辺晴美)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報