朝日日本歴史人物事典 「藤野正啓」の解説
藤野正啓
生年:文政9.5.9(1826.6.14)
明治時代の漢学者,歴史家。号海南。伊予国(愛媛県)松山城下に生まれる。明治2(1869)年大学少博士,5年東京府権典事となって府誌の編纂に従う。9年太政官修史局御用掛に転じ,10年4等編修官になり,修史館第2局乙科に属して,19年には臨時修史局編修に累進した。新式な論文があるわけではないが,年下の重野安繹の部下になって,漢文による幕末史叙述を推進した。文壇では,5年に漢詩文の結社である旧雨社をおこして,重きをなした。<著作>『海南遺稿』<参考文献>牧野謙次郎『日本漢学史』
(秋元信英)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報