朝日日本歴史人物事典 「藪内竹心」の解説
藪内竹心
生年:延宝6(1678)
茶道藪内流5代紹智。名は宗直。而空,不住斎などと号した。出自には美濃大垣の儒者,京都の医家,4代剣渓紹智の子など諸説がある。藪内流を整備して,中興の祖ともいわれた。元禄期の茶道界の現状を痛烈に批判して,利休への回帰を説き,流風の確立に尽力した。利休正風を真仰し,挙揚することを誓った「真仰状」を創始。門下に竹心四天王と呼ばれた神先紹和,女婿の北尾春倫,安富常通,関竹僊らがいる。著書に藪内流を利休正風と位置づけた『茶道朱紫』(1722)をはじめ,利休の茶に源流を求めた『源流茶話』のほか『茶人行言録』『茶道霧の海』『茶話真向翁』など,およそ20種におよぶ。遺墨として「心広体胖春」の一行や「茄子画賛」が,好みの茶道具として竹再来型花入銘「一来」,「雲脚釜」「女郎花棗」「栗棗」などが残る。<参考文献>『茶道の源流』全6巻
(谷端昭夫)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報