藪内紹智(読み)やぶのうちじょうち

精選版 日本国語大辞典 「藪内紹智」の意味・読み・例文・類語

やぶのうち‐じょうち【藪内紹智】

  1. 安土桃山時代茶人藪中斎と号す。茶の湯を養父藪内宗巴に学び、また千利休にも師事藪内流を創始した。大徳寺春屋宗園に参禅し、剣仲の道号を与えられた。天文五~寛永四年(一五三六‐一六二七

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「藪内紹智」の意味・わかりやすい解説

藪内紹智
やぶのうちじょうち
(1536―1627)

安土(あづち)桃山~江戸初期の茶人。藪内流の初祖。藪中斎(そうちゅうさい)、剣仲(けんちゅう)、子的(してき)、宗胤(そういん)と号す。出自については不詳。家伝によれば、室町将軍家の同朋衆(どうぼうしゅう)で、致仕後尼崎(あまがさき)に住んだ藪内宗把(そうは)の養嗣子(ようしし)になったとするが、『天王寺屋(てんのうじや)会記』に所見する堺(さかい)の茶人「やぶの内」宗和(そうわ)・道和(どうわ)はその一族か。武野紹鴎(たけのじょうおう)に師事し、十余歳年長の相弟子千利休(せんのりきゅう)と親交したが、のちに袂(たもと)を分かったという。春屋宗園(しゅんおくそうえん)に参禅し、1595年(文禄4)剣仲の道号を受けた。古田織部(おりべ)の妹を妻とした関係で、織部の賜死後、京屋敷にあった茶室燕庵(えんなん)を受け継いだ。

[村井康彦]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「藪内紹智」の解説

藪内紹智(13代) やぶのうち-じょうち

1936- 昭和後期-平成時代の茶道家。
昭和11年9月7日生まれ。藪内流12代紹智の長男。昭和54年藪内流13代家元をつぐ。63年から平成元年にかけてアメリカのワシントンの茶道美術展に茶席をもうけ,茶道の普及につとめた。藪内燕庵理事長。27年3代家元の座を長男・紹由にゆずり,隠居名の穆室(ぼくしつ)を名乗る。京都府出身。同志社大卒。本名は尚弥(ひさや)。号は青々斎,竹中

藪内紹智(初代) やぶのうち-じょうち

1536-1627 織豊-江戸時代前期の茶人。
天文(てんぶん)5年生まれ。藪内流の祖。藪内宗把(そうは)(宗巴)の養子。武野紹鴎(じょうおう)にまなぶ。千利休と親交があり,春屋(しゅんおく)宗園から剣仲の道号をうけた。妻の兄古田織部から茶室燕庵(えんあん)をゆずられた。寛永4年5月7日死去。92歳。名は宗胤。別号に藪中(そうちゅう)斎。

藪内紹智(2代) やぶのうち-じょうち

1577/80-1655 江戸時代前期の茶人。
天正(てんしょう)5/8年生まれ。初代藪内紹智の子。西本願寺の良如の知遇を得,寺領の一部をもらいうける。聚楽第(じゅらくだい)にあった茶室燕庵(えんあん)をうつし,藪内流の基礎をかためた。承応(じょうおう)4年1月6日死去。76/79歳。名は宗実。別号に真翁,了智,月心軒。

藪内紹智(5代) やぶのうち-じょうち

1678-1745 江戸時代中期の茶人。
延宝6年生まれ。美濃(みの)(岐阜県)の儒者とも,京都の医家ともいう。4代の婿養子となり5代をつぐ。藪内流中興の祖とされ,門人に安富常通(やすとみ-じょうつう)らがいる。延享2年11月23日死去。68歳。名は宗直。別号に竹心,不住斎。著作に「源流茶話」「茶道霧の海」など。

藪内紹智(6代) やぶのうち-じょうち

1727-1800 江戸時代中期-後期の茶人。
享保(きょうほう)12年生まれ。安富常通(やすとみ-じょうつう)にまなび,5代の養子となる。江戸に藪内流をひらいた珍牛斎紹庵の父。門人に寺村紹賀がいる。寛政12年7月3日死去。74歳。名は宗堅。別号に竹陰,比老斎,雲脚子。著作に「潔茶」など。

藪内紹智(7代) やぶのうち-じょうち

1773-1846 江戸時代後期の茶人。
安永2年生まれ。もと大和(奈良県)郡山(こおりやま)藩士。初代藪内紹智二百回忌,千利休二百五十回忌,古田織部(おりべ)二百回忌をいとなんだ。弘化(こうか)3年2月24日死去。74歳。名は宗逸。別号に竹翁,竹逸,桂隠斎。

藪内紹智(4代) やぶのうち-じょうち

1654-1712 江戸時代前期-中期の茶人。
承応(じょうおう)3年生まれ。3代藪内紹智の長男。藪内流4代をつぐ。門人に島村紹億がいる。正徳(しょうとく)2年5月7日死去。59歳。京都出身。名は宗億。別号に剣渓,蕉雲斎。

藪内紹智(3代) やぶのうち-じょうち

1599-1675* 江戸時代前期の茶人。
慶長4年生まれ。2代藪内紹智の長男。藪内流3代をつぐ。延宝2年12月13日死去。76歳。京都出身。名は宗利。別号に剣翁,雲脚亭。

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