親子杯(読み)おやこさかずき

精選版 日本国語大辞典 「親子杯」の意味・読み・例文・類語

おやこ‐さかずき‥さかづき【親子杯】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 婚礼にあたり、婿が嫁の親との間にかわす杯。
  3. 擬制的親子関係を結ぶにあたり、とりかわす杯。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の親子杯の言及

【親子】より

…父母と子の関係を指すが,生みの親と子の血縁的な関係だけではなく,養親と養子,親分と子分,親方と子方の関係のように,法制上,習俗上親子関係が擬制される関係(擬制的親族関係)を指しても用いられる。
[親子と血縁]
 親子関係では,とくに血のつながりという自然的要素が強調されるが,いずれの社会でも,血のつながりがあればただちに社会的にも親子関係が発生するとされているわけではない。このことは早くからB.マリノフスキーら社会人類学者によって指摘されている。…

【親子成り】より

…親子関係にない者が一定の手続を経て親子関係に類似した関係をとり結ぶことを一般に親子成りといい,親子成りによって成立する関係を仮の親子関係,親分・子分関係,擬制的親子関係,儀礼的親子関係などと一般的によんでいる。また,この関係における親を仮親という。親子成りによって設定されるのは法的な親子関係とは異なるから,養子縁組による養親子関係とは社会的意義が全く異なる。 親子成りが行われる契機には二つあり,第1は出産,命名,成人,結婚など通過儀礼の諸段階に行われるものであり,こうしてとった親に取上親,名付親,元服親,仲人親などがある。…

【盃事】より

…また入家儀礼として嫁が台所口でとくに婿の母(しゅうとめ)と盃をとりかわすトボウサカズキの慣行は種々の変異をみせながら各地に存在する。そして続いて行われる親子盃,親類盃などはいずれも婚姻当事者同士の盃事ではない。当事者間の女夫(めおと)盃は今日三三九度の盃とよばれ婚姻儀礼の中心とされるが,かつてはこうした女夫盃,床盃のような当事者間の盃事は意外に少なく,むしろ婚姻当事者とそれぞれの親族,とくに嫁と婿の親や親類との盃事が中心となっている。…

【三三九度】より

…これはアイサカズキ,ムスビサカズキともいい,大小三重(みつがさね)の盃が多く用いられている。しかし,かつてはこの女夫盃(めおとさかずき)を行わない地域が多く,そこでの盃事は新郎,新婦がそれぞれ相手の両親や親類との間で行う親子盃や親類盃であり,むしろこれを三三九度の盃とよぶ地域もあった。現在の三三九度の盃は,複雑な酒礼を整理簡略化したものといわれている。…

【嫁入婚】より

…各地にみられる慣行内容はさまざまであるが,婚姻成立にあたって,女方の承諾を得る婚約儀礼(結納)の重視,とくに嫁の引移り儀礼が婿方で公式儀礼として盛大に行われるのが一般的である。嫁入婚においては,嫁を婿の属する社会に加入させる儀礼が重視されており,披露宴に婿が出席しない例もあること,夫婦盃よりも婿の両親,とくに母(しゅうとめ)との親子盃が広く行われていたことなどからもうかがえる。このように夫婦生活が直ちに夫方で開始されたが,嫁は家長,主婦であるしゅうと,しゅうとめに仕えることを先決とされたことから,とくに嫁,しゅうとめの緊張関係が多くみられることになった。…

※「親子杯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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