言寄(読み)いいよる

精選版 日本国語大辞典 「言寄」の意味・読み・例文・類語

いい‐よ・る いひ‥【言寄】

〘自ラ五(四)〙
言葉をかけて近寄る。話しかけながらそばに寄る。
※枕(10C終)三「ここなるもの取りはべらんなどいひよりて走り打ちて逃ぐれば」
異性手紙をやったり話しかけたりして近づく。親しみ近づく。求婚する。求愛する。口説く。
大和(947‐957頃)御巫本附載「いかで物いひよらむとおもへば」
源氏(1001‐14頃)帚木「むすめども多かりと聞き給へて、はかなきついでにいひよりて」
③ 頼み込んで、好意に頼る。近づきになって依頼する。
※源氏(1001‐14頃)玉鬘「知れる人といひよるべきたのもしき人もおぼえず」

いい‐よ・す いひ‥【言寄】

〘他サ下二〙 ある事柄に事寄せて言う。かこつけて言う。
※俳諧・本朝文選(1706)六・誄類・丈艸誄〈去来〉「其弟に家録譲り侍らんと、かねて人しれず志ありて、病にはいひよせられけるとなむ」

こと‐よせ【言寄】

〘名〙
① 言いよること。また、言いがかりをつけること。
② 伝言すること。ことづけ。ことづて。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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